頭痛外来の診療について
コミュニティ新聞掲載記事
頭痛についての解説記事がコミュニティ新聞に掲載されました。
当院での診療について
- 当院の外来では、まず「危ない頭痛」(二次性頭痛)を見極めます。
- 検査をしても異常が見つからない「困る頭痛」(一次性頭痛)を専門的に正しく診断し、適切な治療を行います。
- 武器(予防療法)を使いこなして、強い敵(頭痛)を倒さなければなりません。
治療効果が得られるまで時間のかかる場合もありますが、ひとりひとりの状況に応じて治療をしています。 - 「痛ければ鎮痛剤で」ということだけで何とかなる場合もあるでしょう。
しかし、全ての頭痛の患者さんでうまくいくわけではありません。
一般に慢性頭痛に移行してくると、頓服だけでは効かなくなってきます。
自分の頭痛を正しく理解することが大事で、受診して正確な診断と正しい治療を受けるようにしましょう。
日本人の約6割の人は頭痛を一生の内に一度は頭痛を経験すると言われています。頭痛の原因は多岐にわたり、時に大きな病気が隠れていることもあります。
また「ただの頭痛だから」と言われ、長年その症状を理解してもらえず苦しんでいる方も多くいらっしゃいます。
頭痛は、一次性頭痛と二次性頭痛に大別されます。治療には原因をみつけることが大事ですので、頭痛外来を受診しましょう。
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一次性頭痛
片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛を苦痛に感じたり、日常生活に支障があれば受診しましょう。 -
二次性頭痛
二次性頭痛はくも膜下出血、髄膜炎などの「原因があって生じる頭痛」で、なかには放置しておくと生命にかかわるものもあります。 - 頭痛と安易に鎮痛薬を使用していると薬剤使用過多による頭痛になってしまうこともあります。
二次性頭痛の危険について
以下のような状況や症状を伴う頭痛の場合、二次性頭痛の可能性が疑われますので速やかに医療機関の受診をおすすめします。
- 突然の頭痛
- 今まで経験したことがない頭痛
- いつもの頭痛と様子が異なる頭痛
- 頻度や程度が増していく頭痛
- 50歳以降に初めて起こった頭痛
- 麻痺やしゃべりにくくなったり歩きにくくなったりするなどといった症状を伴う頭痛
- 発熱や吐き気・嘔吐などを伴う頭痛
頭痛の種類
薬剤使用過多による頭痛に注意
鎮痛剤を飲みすぎることで逆に頭痛が増えてしまうことがあります。
慢性頭痛は薬を調整する事でコントロールする事ができます。
鎮痛剤が手放せない人(ひと月で8日以上は薬が必要な人)、鎮痛剤が効かなくなった人は、
大人、子供に関わらず早めに頭痛外来などの受診をお勧めいたします。
大人の頭痛
日常的に起こり、命にはかかわりのない頭痛を慢性頭痛といいます。
慢性頭痛に悩む人は全国で3000万人いるといわれるほどポピュラーなものです。
慢性頭痛には主に、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があり、
これら3つはそれぞれ原因や対処法が異なります。
思い込みで間違った対処をしてしまうと、症状が改善しないばかりか、かえって悪化させてしまうこともあります。
子供の頭痛
"子供が頭痛くなるなんて"と思われていませんか?
昔は、子供が"頭痛い"と言うときは決まって、体育の授業前や、マラソン、水泳など不得意な出来事の前の事が多く、"休みたいからでしょ"と仮病扱いをされる事が多かったと思われます。確かに、仮病を使っている子もいましたが、本当につらい子がいたことも事実です。
最新の研究結果では、「頭痛」で外来を受診される子供は多く、
子供の5人に1人は頭痛がある事がわかってきました。
早い子ですと、幼稚園に通う頃から頭痛持ちの子もいます。
頭痛の多くは片頭痛や緊張型頭痛といわれる一次性頭痛です。
しかしながら、頭痛の原因としてまず考えなければならないのは二次性頭痛、つまり、脳の病気からくる頭痛です。
脳腫瘍やもやもや病などは小児にも多い病気ですので、CT、MRIで確認が必要です。
子供が頭痛を訴えることは大人よりは少ないので重要な訴えとみるべきです。
お子さんが「頭が痛い」と言ったら、勝手に判断せず、まずは、病院で検査を受けることをお勧めします。