めまいでお悩みの方
めまいは、からだのバランスを保つ機能に障害が起こると生じます。
めまいの感じ方は、「自分のからだが回っている」、「自分のまわりの地球が回っている」、「雲の上を歩くようにふわふわする」、「谷底に引きずり込まれるように感じる」など、さまざまです。
めまいを訴える人の数は、厚生省の国民生活基礎調査によると、約240万人にのぼっています。
大きく分けると、耳から生じるめまいと、脳から生じるめまい、さらに特に老人に多いめまいの3つに分けることができます。
脳からくるめまいには以下のようなものがあります。
- 脳卒中(脳梗塞、脳出血)
- 椎骨脳底動脈循環不全
- てんかん
- 良性発作性頭位変換性めまい
当院の外来では、まず「脳からくるめまい」を見きわめ、専門的治療が必要な場合には専門病院と連携を取り治療を行います。
そして検査をしても異常が見つからないめまいを専門的により正しく診断して、適切な治療を行います。
治療効果が得られるまで時間のかかる場合もありますが、ひとりひとりの状況に応じて治療を行います。
しびれ・ろれつが気になる方
- 一時的に手や足がしびれる(あるいは徐々にしびれが悪化する)
- 一時的に手や足の動きが悪くなった(力が入らなかった)が元に戻った
- ろれつが回らない
- 言葉が出ない
- 会話をしていて、相手の言葉が理解できない
「しびれ」の原因にはたくさんの種類があります。 その中で、数は少ないのですが、「こわ~いしびれ(命にかかわるしびれ)」があり、早期に正しく診断、発見、治療されなくては手遅れになることがあるからです。
た、「ろれつがまわらない」という症状は、ほとんどが脳の病気からおこります。
当院の外来では、まず頭部のMRI検査を行い、脳の病気かを見きわめ、専門的治療が必要な場合には専門病院と連携を取り治療を行います。
早期に診断、治療がされなくては、命にかかわることもあるからです。
頭部外傷
何らかの外力が加わって頭部の軟部組織(皮膚、皮下組織)、頭蓋骨、頭蓋内(脳、髄膜など)に 損傷が起こることを「頭部外傷」と言います。軽いたんこぶで済むものから、頭蓋内に命に係わる大出血を来すものまで、加わった外力の程度により、病態や予後は大きく変わります。
通常は、加わった外力が大きければ大きいほど、損傷の程度も大きくなりますが、「軽い打撲」と思い込み、頭部外傷直後は「見た目には何も障害がないように」見えても、実は脳損傷を負っている場合や、時間が経って重大な脳損傷を来すことがあります。「頭部外傷は侮ることなかれ」です。
脳震盪について
脳震盪は、受傷部の診察でも、一般的なCT・MRI検査でもわからない、唯一の外傷の病態です。頭部の打撲により、脳に傷がなくとも脳の機能が低下している状態です。脳震盪は「頭痛、バランス障害、意識消失、情緒不安定、無気力、集中力の低下」など様々な症状を起こします。脳震盪は子供の方が大人より長く続き、多くの場合、大人では1週間程度、子供では1〜2週間で改善します。
しかしながら場合によっては数カ月から1年と長引く場合もあり、成人で10~14日以内、小児で4週間以内に回復しない人は「脳震盪後症候群」と呼ばれています。初期症状が重篤なほど、長期に症状を及ぼす場合が多いことが知られています。
頭部外傷は急性期治療はもちろん、慢性期の管理も大切です。
大人の頭部外傷
最も問題なのは、「血をサラサラにするお薬」を飲んでいる患者さんが、頭部を打撲することです。直後は問題なくても、時間が経って意識がなくなることがあるのです。これは頭を打ったことで頭蓋内に出血が起こり、「血をサラサラにするお薬」を飲んでいるため血が止まらず出血が続き、脳を壊してしまうことで起こります。
現在、日本では10~20人に1人が「血をサラサラにするお薬」を内服していると言われています。このような患者さんは、転びやすく、出血しやすいことも知られています。抗血栓治療薬を内服している患者さんは、頭部外傷ガイドラインでも頭を打った時には専門の機関での検査を行うことが推奨されています。
子供の頭部外傷
子供の鈍的頭部外傷(頭部打撲)の多くは、脳損傷や後遺症を残すことはほとんどありません。しかし、外傷直後に神経症状(意識障害、麻痺、感覚障害など)がなかったとしても、3~10%の子に、CTで出血などの頭蓋内外傷性変化が認められることが知られています。約1%には濃厚な入院管理や時に外科的な治療、あるいは持続的な神経機能評価が必要になると言われています。
当院では検査での放射線被ばくをリスクのないMRIの検査を行っています。